2007年12月に、マグマ性二酸化炭素の蓄積によりガス噴出災害の再発が懸念されていたニオス湖およびマヌーン湖(カメルーン)の地球化学的調査を実施した。湖水のCO2濃度の深度分布を明らかにするために、両湖において深度別採水を行った。過去の調査結果を加えて、ガス抜きによって溶存CO2がどの程度除去されたかを検討した。その結果、マヌーン湖ではガス抜きが順調に進行し残存CO2量は最大値の20%以下にまで減少したが、溶存CO2量がはるかに多いニオス湖ではガス抜きの効果は現時点では十分でなく、今なお最大値の80%残存していることが分かった。これらの結果は学術雑誌に論文として公表した。また、ニオス湖の北岸を構成する天然ダムの形成年代について研究を進めてきた。これに関する研究成果を学術雑誌に論文として投稿し、現在、受理され印刷中である。
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