研究概要 |
本研究の目的は,医師の経験的な知見と事例からの疾病モデルの記述と,開発したアルゴリズムの医用画像への適用による評価である.医用画像のように限られた画像データや限られた症例(実例)から起こりうる全ての事象に対して適用可能な分類器を作るためには,病変の発生・成長過程に起因する事例の変化と,画像取得条件に起因する事例の変化に対応するための方策を検討する必要がある. 今年度は,少数の事例からより多くのパターンを生成し,その生成されたデータに基づいて分類器を学習する枠組みである,生成型学習のためのパターン生成方法に関して,従来通りの画像空間で生成する方式の検討を進めると共に,特徴空間内での生成に関する議論も進めた,前者については,画像の生成過程で生じる画像の変化要因をさらに詳細に解析し,色空間にて生成を加えることや,物体を撮影した時のカメラの動き情報を加えることで,物体検出のロバスト性が優位に向上することを示した.また,後者に関しては,特徴量空間で画像の見え方の変動を考慮した学習データを作成し,複数の画像に対しての直積空間による距離尺度を採用することで,画像の類似度評価を行う手法を開発した. 以上のことを各種学会にて報告・討論を行った.
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