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2007 年度 実績報告書

小学校算数科における比例的推論の教授・学習に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19500719
研究機関宮城教育大学

研究代表者

田端 輝彦  宮城教育大学, 教育学部, 教授 (80344745)

研究分担者 萬 伸介  宮城教育大学, 教育学部, 教授 (40019849)
山田 春樹  宮城教育大学, 教育学部, 教授 (00092578)
藤井 斉亮  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60199289)
中村 享史  山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (70303394)
中野 博之  弘前大学, 教育学部, 准教授 (30400120)
キーワード比例的推論 / 教授・学習過程 / 実証的研究
研究概要

本研究の究極的な目的は,算数・数学学習における比例的推論の役割を教授・学習の両側面から分析し,比例関係を中心概念にすえ,かつその適時性に配慮した小,中,高等学校段階での一貫カリキュラムを構築するとともに,それを実証的に行うことにある。特に本研究では,小学校の実践経験のある数学教育研究者を募り,数学者とともに小学校算数の比例的推論の教授・学習過程の実証的研究を行うことを目的としている。そして,教授実験の結果を詳細に分析することによって,比例概念の形成の立場からみて,指導内容の適時性を再評価し,カリキュラムに反映させることを意図している。
今年度は,小学校4学年で比例関係を顕在化させる意図をカリキュラム構成の観点から分析した。その結果,針金を素材とした割合(比)の三用法の問題による分析からは,それぞれの問題の解決過程において,暗黙のうちに用いている比例の顕在化できることや,その前提を活用して数学的推論を行っていることが明確となった。特に,第一用法と第二用法の前提を確認することで「長さと重さとに比例関係がある」ことが顕在化できる。また第三用法の問題では,「一方がm等分ならば他方もm等分になるはず」という推論を行っていることが明らかとなった。
また,1あたり量を示さない問題の分析からは,以下のことが明らかとなった。本問題は,乗法と除法を一回ずつ用いる二段階問題のため,乗法と除法を用いる際の根拠を問われることに必然性がある。と同時に,この問いに答えることが,暗黙のうちに用いていた比例関係を顕在化することになる。逆に言えば,比例関係に着目しないと問題が解けないのである。さらには,一般に指導されている小数の乗法の解決の素地まで指導できることがわかった。
これらの成果は,学会発表ならびに論文として発表している。
また,これらを受けて,小学校4学年で教授実験を国立大学の附属小学校と公立小学校で行った。現在,この分析を行っており,来年度には発表する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 整数の乗法における比例関係の顕在化に関する一考察-割合(比)の三用法の類型と1あたり量を示さない問題の分析を中心として-2007

    • 著者名/発表者名
      田端 輝彦
    • 雑誌名

      第40回 数学教育論文発表会論文集

      ページ: 325-330

    • 査読あり
  • [学会発表] 整数の乗法における比例関係の顕在化に関する一考察-割合(比)の三用法の類型と1あたり量を示さない問題の分析を中心として-2007

    • 著者名/発表者名
      田端 輝彦
    • 学会等名
      日本数学教育学会
    • 発表場所
      東京理科大学
    • 年月日
      2007-11-03

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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