研究最終年当たる本年度は、研究当初選定した売立目録100冊について収録作品のデジタル画像データの作製、テキストデータの入力作業を完了した。また、これと並行して、データベースを構成するテキストデータの項目の選定、表計算ソフトを用いたテキストデータ入力からデータベースソフトへのインポート、画像データの貼り付け等、データベース構築の実用実験を行った。 一方、入札会の歴史や関係人物についての調査研究では、前年度に引き続き、大正後期から昭和初期を中心に、高橋箒庵等の著作、入札会を報道する新聞、雑誌記事などを加え、各入札会の状況、各作品の落札価格、作品の売主・買主・札元の人物、関連作品の茶会や展示での使用に関するエピソード等の把握と整理に努め、それらのデータをデータベースに反映する作業を行った。また、高橋の著書などで語られる人物やエピソード等は、益田鈍翁周辺の政財界人や数寄者を中心とするものであることから、それら以外の人物やエピソードに関して、特に当時の文人画愛好者の動向を中心に、近代日本経済史関係の文献等を活用して把握と整理を試みた。 これらの成果に基づいて、研究報告書の作成を行なった。また、その成果の一部については、Web掲載のための準備を実施した。
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