研究概要 |
箇条書きにする。 ・9月に初年度の現地調査を実施した。アントウェルペンのプランタン=モレトゥス博物館において、モンテーニュ『エセー』(1595年版)における、編者グルネー嬢直筆による、加筆・訂正、およそ100個所あまりを、詳細に調べることができた。いずれ、しかるべき媒体に発表の予定である。また、プランタン『家事日記』に関しては、滞在期間の制限から、自分で直接調査する余裕がなく、写真撮影を依頼したものの、解読・翻字をおこなうに十分なできあがりではなく、次回に、自分でおこなうことにした。 ・帰途、パリに立ち寄って、パリ国立図書館(BNF)において、Pierre BELONの著作などを調査した。なお、ブロンの著作は、わたしが中心となって企画している、《フランス・ルネサンス文学集》(白水社)に収録予定の作品である。 ・上記と関連して、TBSテレビの「世界遺産」の番組において、プランタン=モレトゥス博物館が特集され、その監修をおこなった(放映は2007年8月)。さいわいにも好評であって、多くの方々から、感想をちょうだいしている。こうした啓蒙活動により、プランタン=モレトゥス博物館め豊富な資料群に挑戦する若い研究者が出現してくれることを強く祈っている。 ・16世紀文学研究の一環として、次の翻訳を上梓することができた。 ラブレー『第三の書』ちくま文庫(2007年9月,598pp.) モンテーニュ『エセー3』白水社(2008年2月,256pp.) ナタリー・ゼーモン・デーヴィス『贈与の文化史』みすず書房(2007年7月,324pp.)
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