世界自然遺産の白神山地に関して、主に調査・収集した史資料は、弘前市立図書館の藩庁日記御国日記と東北森林管理局青森事務所の津軽領内全森林を書き上げた沢名台帳であった。それによって、前近代における白神山地の森林相並びに弘前藩の林業政策における同山地の位置づけが可能となった。ついで、同山地所在の藩政期鉱山に関しても、18世紀前半を中心とした史資料の収集をほぼ終えて、尾太胴鉛山の稼行実態や鉱業地帯における自然景観の変容などについても、見通しを立てることができた。 そのほか、白神山地との比較で同じ世界自然遺産の屋久島についても、絵図資料の収集を図り、17世紀中葉の同島における森林相を復元し、薩摩藩の林業政策についても関係資料の収集と検討を行った。
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