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2008 年度 実績報告書

<結果志向><過程志向>を再考する-言語・認知・文化的構築物の相同性を求めて

研究課題

研究課題/領域番号 19529004
研究機関杏林大学

研究代表者

八木橋 宏勇  杏林大学, 外国語学部, 助教 (40453526)

キーワード結果志向 / 過程志向 / 言語 / 認知 / 文化的構築物 / 相同性 / 主観的把握 / アスペクト
研究概要

本研究は、これまで指摘されてきている英語の「結果志向」と日本語の「過程志向」という傾向性を、言語構造の様々なレベルで再考察し、英語と日本語の言語構造の背後にある思考体系を明らかにすることを目的としている。平成20年度は「有界性と無界性」「好まれる事態把握」に焦点を当て、「結果志向」と「過程志向」という思考パターンを認知の傾向性という観点から捉え直し、主に動詞の意味構造で論じられることが多かった英語と日本語の「結果志向」「過程志向」をより包括的に検証した(語・句・文・談話・文化コミュニケーションの各レベル)。
言語と思考の関係について、従来の言語相対論では、「ある思考が存在するのはこのような言語表現が存在するからである」「ある言語表現が存在するのはこのような思考が存在するからである」という両者を行ったり来たりする循環論法に陥ることが多く、その全体像を的確に捉えることは難しかった。ところが、認知言語学の興隆により、言語はく人間〉の認知的な営みの産物であるということが明らかとなり、無数に存在する言語以外の文化的構築物(例えば「絵画」「庭園」「家屋」「法制度」「スポーツ」など)と言語および思考の相同性を丹念に検証することでより実証性の高い研究を推進することが可能となったのである。本研究で設定した各言語レベルでも、「好まれる事態把握」に基づく有界的あるいは無界的な認知が、それぞれ英語を「結果志向」として、日本語を「過程志向」として特徴付けていることを実証した。これにより、これまで断片的にしか論じられてこなかった志向性の顕在に関する議論に対し、志向性は各言語レベルを横断して一貫して観察されるという新たな論点を提供した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 英語と日本語の好まれる事態把握-<結果志向>と<過程志向>の動機づけ-2008

    • 著者名/発表者名
      八木橋宏勇, 多々良直弘谷みゆき ほか
    • 学会等名
      日本言語学会第137回大会ワークショップ
    • 発表場所
      金沢大学
    • 年月日
      2008-11-29
  • [学会発表] 日英語における相同性を考える : <有界性>と<無界性>2008

    • 著者名/発表者名
      花崎美紀、花崎一夫、多々良直弘、谷みゆき、八木橋宏勇
    • 学会等名
      日本英文学会中部支部研究大会シンポジウム
    • 発表場所
      信州大学旭キャンパス
    • 年月日
      2008-10-18
  • [学会発表] コミュニケーションと認知言語学-認知と言語の有契性を考える-2008

    • 著者名/発表者名
      八木橋宏勇、井上逸兵、谷みゆき、多々良直弘
    • 学会等名
      日本英文学会関東支部研究大会シンポジウム
    • 発表場所
      早稲田大学戸山キャンパス
    • 年月日
      2008-09-21
  • [学会発表] 言語変化と認知言語学2008

    • 著者名/発表者名
      八木橋宏勇
    • 学会等名
      第25回近代英語協会研究大会シンポジウム
    • 発表場所
      広島女学院大学
    • 年月日
      2008-05-23

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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