(1)剰余体が正標数の閉体上の多変数の巾級数体であるような正標数の完備離散付値体の上のp進微分加群でガロア表現から来るものについてのフィルトレーションには、Kedlayaが定義したもの、ガロア側でAbbesと斎藤によって定義されたもの、筆者がChristol-Mebkhoutのフィルトレーションを高次元化することで定義したものなどがある。それらを比較することで、より精密なフィルトレーションの性質を研究する。 (2)上と同じ状況で、ガロア表現に対して定義された精密化されたスワン導手と、数論的D加群に対してBerthelotが定義した特性多様体を比較することで、より深い数論的な性質を研究する。 (3)剰余体が完全体であるような正標数の完備離散付値体のp進微分加群は、筆者が証明したKatz-Gabber対応の類似によって、大域体のp進微分加群に延長できることがわかるが、フロベニウス構造の延長については一部未解決な部分が残っている。それを研究することで、p進局所定数の理論などへの応用を試みる。
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