研究概要 |
研究成果の概要は以下のとおり almost projective は、M. Harada and A. Tozaki : Almost M-projectives and Nakayama rings, J. of Algebra 122 (1989), 447-474に於いて、lifting modulesの直和が再び.liftingになる同値条件の研究から生み出されたものであった。これらに関しては、現在までに大量の興味深い結果が生み出されており、注目すべき概念である。原田学はさらに、M. Harada : Note on almost relative projectives and almost relative injectives, Osaka J. Math. 29 (1992). 91-102に於いて、少し弱い条件であるalmost N-simple-projeciveを導入し、半完全環Rと有限組成列をもつR-加群M,Nに対して、MがalmostN-projectiveであることとalmost N-simple-projectiveであることが同値であることを示している。今回はこの結果から「有限組成列」という条件を取り去り、半完全環R,有限生成R-加群M,有限Loewy lengthをもつ直既約R-加群Nに対して、2つの条件が同値であることを証明することに成功した。また、半完全環R,有限生成R-加群M,有限Loewy lengthをもつR-加群Nに対し、MがN-simple-projectiveであることとN-projectiveであることとが同値であることの証明にも成功した。
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