研究課題/領域番号 |
19540088
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
勝田 篤 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (60183779)
|
研究分担者 |
清原 一吉 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80153245)
田村 英男 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30022734)
島川 和久 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (70109081)
池田 章 岡山大学, 教育学部, 教授 (30093363)
酒井 隆 岡山理科大学, 理学部, 教授 (70005809)
|
キーワード | グロモフ-ハウスドルフ距離 / スペクトル逆問題 / 距離関数 |
研究概要 |
空間の局所的性質と大域的性質の関係をさぐることは幾何学の基本的な問題である。ここでは境界付多様体の局所的不変量である曲率とラプラシアンから定まる解析的不変量の関係を見るゲルファントのスペクトル逆問題から派生した問題について考察した。この問題のこれまで得られた解法ではリーマン多様体の固有値と固有関数の境界への制限から境界から内部の点への距離(境界距離表現とよぶ。)あるいは固有関数がはじめに決定され、次に境界距離表現や固有関数から内部のリーマン計量が定まるという手順を踏んでいた。 我々は以前、ゲルファントの逆問題の安定性について考察した。その際、リーマン計量は固有関数から構成されていた。また元々の問題の解決で用いられた境界距離表現からリーマン計量の決定の方法は安定性の問題では適用できなかった。それで安定的に計量が復元できる方法をさがした。得られた結果はリッチ曲率、平均曲率のヘルダーノルム、単射半径、直径の条件下での境界距離表現から内部の計量の安定的再構成である。尚、この結果は上記問題以外でも熱源の決定や波の伝播の逆問題にも適用可能である。 以上のような研究の他、研究分担者である清原はリウビル多様体の共役跡、田村は磁気的散乱の半古典解析、島川は一般コホモロジー、池田は空間形の解析的捩れ、酒井は最小跡と距離関数の関係、竹内はp調和関数についてそれぞれ研究した。
|