研究概要 |
H. J. Marcumと小田の共同研究により一般化されたホップ構成と一般化されたホップ不変量の関係を調べ,2次結合との関係を含む定理を得た.Fibrationの分解とホップ不変量との関係が得られた.また,matrix Toda bracketとホップ不変量との関係も解明できた.具体例として,射影空間のホモトピー群について調べた. 岩瀬則夫,三村護,小田とY. S. Yoonの共同研究により,Milnor・Stasheffによるfiltrationを用いた手法によりT空間の一般化を定式化することができた。被覆空間との関係を解明することにより,具体例を調べる可能性が広がった.この研究により,LSカテゴリーと関係する位相空間のクラスを定義した.代表的な例として,射影空間,レンズ空間,3個以下の胞体を持つ空間を調べ,LSカテゴリーとの関係等の結果を得た.平嶋康昌と小田は,基点付きの位相空間でexponential位相と呼ばれる位相から定義される関数空間の位相を研究し,基点をもつ任意の位相空間に対してexponential functionが全単射になる条件,連続な全単射になる条件,同相になる条件を得た.この位相は代数的位相幾何学への応用が可能である.CW-複体については,胞体構造を用いた幾何的な考察により精密な結果が得られた.また,関数空間のpairingの定理がいくつかの条件をみたす関数空間関手に拡張できることを証明した.この手法は同変空間の間の関数空間への群作用の研究に応用できることが示された.これらの結果は,日本数学会の一般講演として2009年9月26日(大阪大学),2010年3月25日(応義塾大学)および2009年11月1日のホモトピー論シンポジウム(姫路市民会館)等で発表した.
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