Dranishnikovのグループが6次元以上のユークリッド空間で無限asymptotic次元になるcoarsely uniformly connectedな距離を構成した。このことから、「2次元以上5次元以下のユークリッド空間で無限asymptotic次元となるcoarsely uniformly connectedな距離を構成できるか?」という本研究課題の問題があるが、さらに条件を強くすると以下のような問題が考えられる。「2次元以上のCAT(0)空間でユークリッド空間と同相な空間のasymptotic次元は有限か?」この問題は「CAT(0)群のasymptotic次元は有限か?」という問題と深く関係がある。私は2次元ユークリッド空間と同相なCAT(0)空間について研究し、asymptotic次元を計算し、さらに幾何学的境界のトポロジーの観点から空間を決定した。つまり、そのような空間のasymptotic次元は2になり、幾何学的境界はサークルとなることを示した。 asymptotic次元と関連があると思われる写像のカラーリングの研究を行った。最初に有限グラフ上の写像のカラーリングの分類について調べ、すべての周期の最大公約数が1か3でない写像のカラーリング数を決定した。 HigsonあるいはSmirnovコンパクト化の剰余の局所連結性について調べた。すべての局所コンパクト距離空間のHigsonあるいはSmirnovコンパクト化の剰余の各点は局所連結ではないことを示した。次に、局所連結より弱い性質であるapsyndesis性に関して調べ、2次元ユークリッド空間と同相なCAT(0)空間のHigsonあるいはSmirnovコンパクト化の剰余はapsyndesis性が保たれることを示した。asymptotic次元が上がらないということとHigsonの剰余apsyndesis性は関連があると推測される。
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