http://aimath.org/pggtに幾何学的群論に関する問題がまとめられているだ、その中に「すべてのCAT(0)群のasymptotic次元は有限か?」という大きな問題がある。本研究はasymptotic次元とcoarsely uniformly connectedの関係を探ることが大きな目的だが、上述の大きな問題と合わせて考えると、「2次元以上のCAT(0)多様体のasymptotic次元は有限か?」が考えられる。最初に、2次元ユークリッド空間と同相なCAT(0)空間について研究し、asymptotic次元は2となることを示した。また、幾何学的境界はサークルとなることを示した。さらに、一般のCAT(0)空間のHigsonコロナと幾何学的境界を調べ、Higsonコロナの次元は幾何学的境界の次元以上であることを示した。また、群がCAT(0)空間に幾何的に作用しているならば、Higsonコロナの次元は幾何学的境界の次元プラス1以上であることを示した。 asymptotic次元と関連があると思われる写像のカラーリングの研究を行った。最初に、3周期点をもつ周期写像のカラーリングは4以上であることを示した。空間のasymptotic次元はあるグラフのasymptotic次元を調べればいいことに注意すると、グラフ上同相写像のカラーリングを調べることは意味があると思われる。最初に有限グラフ上の同相写像のカラーリングの分類について調べ、すべての周期の最大公約数が1か3でない写像のカラーリング数が3であること示した。さらに、この証明から周期点をもち、すべての周期の最大公約数が1か3でない無限グラフ上の同相写像もカラーリング数が3であることがわかる。さらに、有限、無限に関わらず、グラフ上の同相写像のすべての周期の最大公約数が1か3ならばカラーリングが4であることを決定した。
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