研究課題/領域番号 |
19540135
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
土屋 卓也 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (00163832)
|
研究分担者 |
鈴木 貴 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40114516)
大塚 寛 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (30203839)
|
キーワード | 有限要素法 / 非線形問題 / 微分多様体 / 数値解析学 |
研究概要 |
今年度は、Hadamard変分、特に第2変分について研究した。主な成果は以下の通りである。 (1)十分滑らかな有界領域のGreen関数は、領域の境界が微少な摂動を受けた際に、微少に変動する。領域の摂動に関するGreen関数の変分は、Hadamardにより最初に研究され、その第一変分は、「Hadamardの変分公式」と呼ばれている。この科学研究費による研究で、Hadamardの変分公式を一般のn次元の場合について求める簡明な方法を発見した。さらにこの方法を発展させて、領域の摂動に関するGreen関数の第二変分公式を求めることに成功した。これには60年前にGarabedian-Schifferによる結果があるが、我々は彼らより一般的な設定のもとでの摂動を考えているので、得られた結果は彼らの結果の本質的な拡張になっている。 (2)有界領域を摂動したとき、その境界上で定義されている境界値問題の解やその解から定義される汎関数の値も変動する。そのような領域の摂動に関する変分は、「Hadamard変分」と呼ばれる。今年度は、ダム問題といわれる自由境界問題に現れる量について、そのHadamard変分を、第一変分、第二変分ともに一般のn次元の場合について計算することに成功した。また、得られた第一変分を用いた「力法(ちからほう)」と呼ばれる反復解法が、ダム問題に対して有効であることを見いだした。
|