研究課題
19年度は以下5点について研究を行った。(1)マスキットベアススライスのプリーツ座標の構成については小森が研究をを行い論文を発表した。(2)K=2予想の反例の組織的な構成については小森が6月に客員教授として訪れたモンペリエ大学(フランス)のSilhol教授と、リーマン面の平坦構造を使った構成方法の共同研究を開始した。この方向で20年度に国際研究集会が九州大学開催されるので、さらに研究が進むと期待される。(3)ベアススライスの研究については、11月に京都大学数理解析研究所でGardiner教授を迎えての研究集会が行われ、研究分担者の今吉、佐官、宮地の3名が参加および講演を行った。特に無限次元タイヒミュラー空間のプリーツ座標という未知の分野の問題提起がなされたのは今後の研究進展に有意義なことである。(4)変形空間の境界挙動については研究分担者の作間、宮地両氏とクライン群の変形空間の立場から議論を深めた。特に小森、作間、山下が参加した7月のウォーリック大学(英国)での3次元多様体とタイヒミュラー空間の国際集会では、多くの専門家との意見の交換を行うことができた。(5)タイヒミュラー空間の可視化については研究分担者の須川、山下、小森の行った1次本の場合の結果について、8月に大阪市大学で開催された複素解析の国際集会で講演と討議を行ったが、当初目標にしていた高次元かへの試みを実行することができなかった。20年度は須川、山下両氏との共同研究および3Dグラフィックに関する勉強会を通して、まずは2次元の可視化を実行したい。20年12月に大阪市立大学で開催されるリーマン面と可視化の国際集会でも講演と討議を行う予定ではある。以上の5点の研究を行ったが、研究代表者および分担者は日本数学会の春期および秋期学会等で研究経過を発表する講演を行った。
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