定在波分光法による埋もれた界面の価電子帯評価法の開発

2008 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19540327
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 物性Ⅰ
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 江島 丈雄 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (80261478)
• 研究分担者: 柳原 美廣 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (40174552)
• 研究期間 (年度): 2007 – 2008
• キーワード: 埋もれた界面 / 価電子帯 / 定在波 / 位相制御 / 多層膜 / Fe / Si界面

研究概要

Fe/Si多層膜の界面層の電子状態を知るために、位相制御をした定在波法と発光分光法を組み合わせて、Fe/Si界面の深さ方向の電子状態の変化を調べた。得られたFe L_(2, 3)発光スペクトルのスペクトル形状は、ほぼFe金属のスペクトル形状に類似して、Fe 3d→Fe 2p_(3/2)遷移による強度の強いL_3発光と、禁制遷移である強度の弱いFe 3d→Fe 2p_(1/2)遷移によるL_2発光を示した。Fe L_3発光スペクトルのピーク位置は、表面側Fe層から基板側Fe層に向って高エネルギー側にシフトした。これは発光点が表面側から基板側に移動するに従って、フェルミ準位近傍のFe 3d電子の状態密度が多い状態から少ない状態に変化していると考えられる。以上により、定在波法を用いた埋もれた界面の価電子帯の評価法が確立された。

研究成果

• [雑誌論文] Multilayer polarization elements and their applications to polarimetric studies in vacuum ultraviolet and soft X-ray regions (2008)
  • 著者名/発表者名: Makoto WATANABE, Tadashi HATANO, Katsuhiko SAITO, Weibing HU, Takeo EJIMA, Toshihide TSURU, Masahiko TAKAHASHI, Hiroaki KIMURA, Toko HIRONO, Zhangshan WANG, Mingqi CUI, Masaki YAMAMOTO, Mihiro YANAGIHARA
  • 雑誌名: Nuclear Science and Techniques 19(4) ページ: 193-203
  • 査読あり
• [雑誌論文] X線結像光学(X-ray imaging optics)光学 (2007)
  • 著者名/発表者名: 柳原美広
  • 雑誌名: 36(4) ページ: 179-180
  • 査読あり
• [雑誌論文] X-ray magnetic circular dichroism studies for Fe/Si interfaces using standing waves (2007)
  • 著者名/発表者名: Kosuke Sato, Masaki Sugawara, Takayoshi Jinno, Mitsunori Toyoda, Tadashi Hatano, Akira Arai, Mihiro Yanagihara
  • 雑誌名: Journal of Physics : Conference Series 83 ページ: 012012-1-6
• [雑誌論文] Photoelectron spectroscopy with phases of standing waves observed by total electron yield and reflection spectra (2007)
  • 著者名/発表者名: T. Ejima, A. Yamazaki, K. Sato, and Y. Nakamura
  • 雑誌名: CP879, SRI: The 9^<th> International Conference on Synchrotron Radiation Instrumentation, ed. by J. -Y. Choi and S. Rah, AIP ページ: 1634
  • 査読あり
• [学会発表] 定在波分光法によるFe/Si多層膜界面の電子状態の変化 (2009)
  • 著者名/発表者名: 後藤智宏、江島丈雄、神野貴義、倉光康太、柳原美廣
  • 学会等名: 第22回日本放射光学会年会放射光科学合同シンポジウム
  • 発表場所: 東京大学、本郷キャンパス(4B003)
  • 年月日: 2009-01-11
• [学会発表] 定在波分光法によるFe/Si多層膜界面の電子状態の変化 (2008)
  • 著者名/発表者名: 後藤智宏、神野貴義、江島丈雄
  • 学会等名: 第8回東北大学多元物質科学研究所研究発表会
  • 発表場所: 東北大学片平さくらホール(P139)
  • 年月日: 2008-12-11
• [学会発表] Fe/Si多層膜界面のSi厚の違いによる電子状態の変化 (2008)
  • 著者名/発表者名: 後藤智宏、神野貴義、江島丈雄
  • 学会等名: 日本物理学会2008年秋季大会
  • 発表場所: 岩手大学上田キャンパス(23pXA-1)
  • 年月日: 2008-09-23
• [学会発表] Fe/Si多層膜界面のSi厚の違いによる電子状態の変化 (2008)
  • 著者名/発表者名: 後藤智宏、神野貴義、江島丈雄
  • 学会等名: 第69回応用物理学会学術講演会
  • 発表場所: 中部大学春日井キャンパス(3p-R-1)
  • 年月日: 2008-09-03
• [学会発表] X線定在波の位相計測を用いた分光測定の探査深度制御 : Fe/Si界面への応用 (2008)
  • 著者名/発表者名: 江島丈雄
  • 学会等名: UVSOR Lunch Seminar
  • 発表場所: 分子科学研究所
  • 年月日: 2008-07-03
• [学会発表] 波長40~30nmにおけるワイドバンド反射多層膜 (2008)
  • 著者名/発表者名: 後藤智宏、江島丈雄、木村真一
  • 学会等名: 日本放射光学会
  • 発表場所: 立命館大学びわこ草津キャンパス(13P019)
  • 年月日: 2008-01-13
• [学会発表] 波長40~30nmにおけるワイドバンド反射多層膜の設計・作製 (2007)
  • 著者名/発表者名: 後藤智宏、江島丈雄、木村真一
  • 学会等名: 第7回東北大学多元物質科学研究所研究発表会
  • 発表場所: 東北大学片平さくらホール(P089)
  • 年月日: 2007-12-12
• [学会発表] 波長40~30nmにおけるワイドバンド反射多層膜の設計・作製 (2007)
  • 著者名/発表者名: 後藤智宏、江島丈雄、木村真一
  • 学会等名: 第62回応用物理学会東北支部学術講演会
  • 発表場所: 八戸工業大学工学部(7pB1)
  • 年月日: 2007-12-06
• [学会発表] 定在波光電子分光法によるFe/Si界面の価電子帯スペクトル (2007)
  • 著者名/発表者名: 江島丈雄, 後藤智宏, 神野貴義
  • 学会等名: 日本物理学会第62回年次大会
  • 発表場所: 北海道大学札幌キャンパス(23pPSA-14)
  • 年月日: 2007-09-23