研究概要 |
日本の下部白亜系二枚貝化石群を,関連する中国の標本およびフィールドの再検討も併せて行い,その分布や変遷を解析した.Nippononaia属の検討により,淡水生二枚貝では,大陸の衝突と横ずれテクトニクスによる淡水域の移動が多様化と分布拡大の原因となっていたことが示唆された.一方,海水域の二枚貝類は,よりグローバルな環境変動を記録していることが推定される.塩分変動の激しいエスチュアリ最奥部の泥干潟では,白亜紀初期に套線が湾入するほど長い水管を持つ初期の異歯類Tetoria sanchuensisが分布していたことが明らかとなった.
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