マラリアは熱帯・亜熱帯地域を中心に年間3億人の感染者と200万人以上の死亡者を出している世界最大の原虫感染症である。共同研究者である群馬大学医学部の鈴木と狩野は流行地の疫学調査から、病態の快復期に関わる原虫由来の抗原蛋白を発見した。本研究代表者らはこの成果を予防ワクチンに利用すべく化学的な観点から研究を行ってきた。今回の研究計画においては(a)ペプチド抗原等を内包した微粒子状にした材料の合成開発を中心に、(b)生体内での分解過程、(c)抗原等の内包過程の観察、(d)抗原等放出の制御、について高分子合成化学と材料化学の手法を用いて検討することを目的としている。
|