グリーンナノコンポジットの高性能メカニズム解析

2008 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19550208
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 高分子・繊維材料
• 研究機関: 京都工芸繊維大学
• 研究代表者: 池田 裕子 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (10202904)
• 研究期間 (年度): 2007 – 2008
• キーワード: ナノ材料 / 高分子構造・物性 / 複合材料・物性 / 構造・機能材料 / バイオマス

研究概要

天然ゴム(NR)中で約40nmの大きさのin situシリカを約70重量部生成させて創る高性能グリーンナノコンポジットの補強メカニズムを探究した。汎用シリカVN-3、およびカーボンブラック充てんパーオキサイド架橋天然ゴムと比較した。in situシリカは分散性が最もよく、かつゴムとの相互作用が最も強いことから多くのセグメントを伸長配向さす要因となり、一端、結晶化が始まると最も高速で伸長結晶化が進行することが判った。この特性がin situシリカ充てんNR架橋体に優れた引張物性を与える一因である。本成果は、ナノ粒子によるナノコンポジットマテリアルの発展に有用な知見となるであろう。

研究成果

• [雑誌論文] Preparation of high performance nanocomposite elastomer : Effect of reaction conditions on in situ silica generation of high content in natural rubber (2008)
  • 著者名/発表者名: Y. Ikeda, S. Poompradub, Y. Morita, S. Kohjiya
  • 雑誌名: J.Sol-Gel Sci. Technol. 45(3) ページ: 299-306
  • 査読あり
• [雑誌論文] in situシリカ充てんグリーンナノコンポジット (2008)
  • 著者名/発表者名: 池田裕子
  • 雑誌名: 44(3) ページ: 111-115
• [雑誌論文] Visualization of nanostructure of soft matter by 3D-TEM : nanoparticles in a natural rubbber matrix (2008)
  • 著者名/発表者名: S. Kohjiya, A. Kato, Y. Ikeda
  • 雑誌名: Progress in Polymer Science 33 ページ: 979-997
  • 査読あり
• [学会発表] 高性能in situ silica充てん天然ゴムナノコンポジットの特性化 (2009)
  • 著者名/発表者名: 土方健介、森田勇一、池田裕子、伊坂雄太
  • 学会等名: 第57回高分子学会年会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2009-05-28
• [学会発表] In situシリカ充てんグリーンナノコンポジットエラストマー日本化学会第88回春季年会(依頼講演) (2008)
  • 著者名/発表者名: 池田裕子
  • 学会等名: 日本化学会第88回春季年会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2008-03-27
• [学会発表] 高含量in situシリカ充てん天然ゴムナノコンポジットの作製と特性化 (2007)
  • 著者名/発表者名: 森田勇一, 池田裕子
  • 学会等名: 第56回高分子討論会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2007-09-20
• [学会発表] 高含量in situシリカ充てん天然ゴムナノコンポジットの特性化 (2007)
  • 著者名/発表者名: 森田勇一, 池田裕子
  • 学会等名: 第56回高分子学会年次大会予稿集
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2007-05-30
• [学会発表] 引張試験同時2D-SAXS測定によるin situシリカ充てんゴム架橋体の変形解析 (2007)
  • 著者名/発表者名: 安田和敬, 池田裕子
  • 学会等名: 第56回高分子学会年次大会予稿集
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2007-05-30
• [学会発表] International Conference Polymeric Materials in Automotive & the 19th Slovak Rubber Conference 2007 (2007)
  • 著者名/発表者名: Y. Ikeda
  • 学会等名: Science for Sustainability of Natural Rubber
  • 発表場所: Bratislava, Slovakia(招待講演)
  • 年月日: 2007-05-15
• [図書] Visualization of nano-filler dispersion and morphology in rubbery matrix by 3D-TEM, in Current Topics in Elastomers Research, ed (2008)
  • 著者名/発表者名: S. Kohjiya, Y. Ikeda, A. Kato
  • 総ページ数: 543-551
  • 出版者: Anil K. Bhowmick, CRC Press, Boca Raton
• [図書] 三次元透過型電子顕微鏡-ネットワークナノ構造の三次元可視化、-高分子先端材料 One Point 別巻高分子分析技術最前線(高分子学会編) (2007)
  • 著者名/発表者名: 加藤淳、〓谷信三、池田裕子
  • 総ページ数: 3-13
  • 出版者: 共立出版
• [備考] 池田裕子, 日本ゴム協会関西支部2月例会見学会, 21世紀のゴム材料 : ナノ化学からパラダイムシフト, 広島市、2008年2月8日
• [備考] 池田裕子, In situシリカ充てんグリーンナノコンポジット, 秋期ゴム技術講習会、次世代の"ものつくり" を支えるゴム、エラストマー技術、41-48, 大阪市, 2007年10月25日
• [備考] Y. Ikeda, Science for Sustainability of Natural Rubber, Special Seminar, Graduate Programme, Graduate School of Studies in Polymer Science and Technology, Mahidol University, Salaya, Thailand, 2007年8月27日-29日