研究概要 |
本研究では、極微細加工に有用なダイヤモンド工具の高精度化と生産性の向上とマイクロ・ナノスケール加工への応用化を目的としている。 ダイヤモンドの高速成膜と高緻密化を図るため、ダイヤモンド成膜装置を試作し、以下の結果を得た。成膜は,超硬丸棒(直径φ3mm,長さ40mm)に対して,試料温度820〜900℃,フィラメント電流30〜50A,成膜時間10h,メタン濃度0.5〜1%の条件で熱フィラメント法により行った.成膜後の試料表面を観察したところ、試料温度が高くなるにともない,ダイヤモンド粒径が大きくなった.また,試料温度が900℃のものは粒径が大きいだけでなく,成膜後すぐにはく離してしまった.以上の結果より,成膜時の試料温度は820℃が適当であると考える.成膜速度は,現状では1μm/hであり,次年度は,より高速度で成膜可能な条件について検討を行っていく. 成膜後の超硬丸棒に対してレーザ照射することにより,ダイヤモンドを直接加工し,ダイヤモンド工具の作製を行い,以下の結果を得た.表面前処理として超硬丸棒にショットブラストを施すことで,ダイヤモンド膜の密着性が向上した.また,レーザ出力を低く,かつモータ回転数を大きくするほど良好な溝の形状が得られた.レーザ照射条件がレーザ出力6.0W,モータ回転数8.5rpmのとき,ピッチ180μm,溝幅20μm,溝深さ6μmの工具が得られた.
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