研究課題/領域番号 |
19590159
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
渡辺 善照 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (70175131)
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研究分担者 |
藤井 まき子 昭和薬科大学, 薬学部, 准教授 (50199296)
小泉 直也 昭和薬科大学, 薬学部, 助教 (80433845)
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キーワード | 薬学 / 薬理学 / 生理学 / 生理活性 / 生体機能利用 |
研究概要 |
これまでに研究代表者らは、消化管上皮細胞層のtight junction(TJ)構成タンパク質と相互作用する薬物吸収促進作用物質(modulator)を検討してきた。Modulatorの一つとして、ウエルシュ菌エンテロトキシンの毒性活性部分を除いたC末断片(C-CPE)を見出している。本年度は、野生型及び変異型C-CPEを用いて吸収促進作用の分子メカニズムを検討した。モデル実験系としてCaco-2細胞層を用いて、C-CPEの作用によるTJバリア機能低下時に発現変動する遺伝子をサブトラクション法により網羅的にスクリーニングし、Sec61β、GSTP1、EEF1A1、PGK1の4種の遺伝子の発現が変動することを見出した。これらの分子がTJの機能に実際に関わっているかを評価するため、同定された遺伝子のうち分子の機能的な面からSec61[○!R]に着目し、Caco-2細胞においてsiRNAを用いたSec61[○!R]のノックダウンを試みた。Sec61[○!R]の発現を低下させて、Caco-2細胞のTJバリア機能形成過程、またはC-CPE作用によるTJバリア機能低下過程に及ぼす影響を膜電気抵抗値(TER)を指標として検討した。しかし、いずれの過程においてもTERの時間的推移がSec61[○!R]発現の低下時に変化はなく、Caco-2細胞のTJバリア機能の変動にSec61[○!R]の関与は小さいことが示唆された。現在、他の遺伝子について精査中である。TJバリアー機能の本体であるclaudinの解析を進めるためCaco-2細胞層へのclaudin発現システムの構築を試みた。Plasmidまたはアデノウイルス(Ad)ベクターを用いた遺伝子導入及びタンパク質発現を検討した。基礎研究としてルシフェラーゼの発現を指標に従来型及びRGD型AdベクターをCaco-2細胞に作用させたところ、いずれのAdベクターの場合もルシフェラーゼの発現が認められ、特に、RGD型では遺伝子導入効率が高く、Caco-2細胞層へのclaudin発現システムに有用なことが示唆された。現在、claudin蛋白の発現を検討中である。
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