研究課題
基盤研究(C)
本研究では、特に薬物透過障壁として多くの問題が残されている吸収過程に焦点を合わせ、より安全で有効な薬物療法につなぐために生体膜透過性の向上あるは制御法を科学的に構築することを検討した。消化管上皮細胞層における透過性調節の重要ポイントとなる間隙(タイトジャンクション)を構成するタンパク質claudinに選択的に作用する物質のC-CPEについて、吸収促進作用を示す活性ドメインを見出すことができた。野生型及び変異型C-CPEを用いて吸収促進作用の分子メカニズムを検討した結果、C-CPE作用時に小腸粘膜上皮細胞における変動遺伝子を解析できた。詳細は現在検討中である。消化管上皮モデル細胞(Caco-2細胞)への遺伝子導入をadenovirus vectorを用いて効率よく出来ることを明らかにできた。これらの基盤研究の成果は、薬物治療において適正な効果を得るための薬物透過促進方法の構築に有用な情報を与えるものである。
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Biochem. Pharmacol 75
ページ: 1639-1648