研究課題/領域番号 |
19590591
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研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
桜井 直美 (駒田 直美) 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (10274979)
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研究分担者 |
小池 和子 植草学園大学, 保健医療学部, 教授 (60110508)
二川 慶子 麻布大学, 獣医学部, 講師 (80186931)
永田 博司 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (10198335)
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キーワード | 訪問入浴介護 / マイクロナノバブル水 / Pseudomonas aeruginosa / Staphylococcus aureus / 抗菌効果 / Salmonella Abony / E.coli ATCC8739 |
研究概要 |
【目的】マイクロナノバブルは直径数μm即以下の気泡で、水処理や医療等の分野で大きな期待を集めている技術であり、本技術を介護分野、特に訪問入浴介護用備品の衛生管理などに導入することを目的とした。マイクロバブルは水中で圧壊破裂する際に高温度とフリーラジカルを発生させ、微生物を死威させると考えられているが、マイクロナノバブル水単体での抗菌スペクトルは学術的に未だ明らかではなく、基礎データとして各微生物、特に病原細菌に対する作用を明らかにする必要がある。 【方法】抗微生物効果の観察は、消毒剤の検定方法に準じて行った。対象細菌はPseudomonas aeruginosa ATCC 9207、Staphylococcus aureus ATCC6538P、E.coli ATCC8739、Salmonella Abony NCTC 6017とし、マイクロナノバブル水は、アスプ社製AK-II型を用い生理食塩水より調整した。曝気時間は前年度の結果から最も効果の見られた30分間とした。 【結果】30分間曝気して調整したマイクロナノバブル水に、各供試菌株を添加したところ、P.aerugi nosa ATCC 9207、Ecoli ATCC8739で、菌数が減少し、抗菌効果が観察された。一方、S.aureus ATCC6538P、S. Abony NCTC6071では菌数の減少は観察されず、抗菌効果は観察されなかった。そこで、コールターカウンターを用いてバブルの生成状況を観察したが、直径10μm以上のバブルは、曝気3分後で測定限界以下となった。 【考察】今回の結果で、グラム陰性菌であるS. Abonyに対する抗菌効果が観察されなかった理由は不明であるが、マイクロナノバブル発生装置のバブル生能力や濃度が一定であったのかに疑問が残る。また、発生したバブルの濃度や安定性など、マイクロナノバブル水の物理化学的性状の詳細なデータを得ることも必要であると思われた。
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