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2009 年度 実績報告書

映像の生体影響評価と映像酔いの予防に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19590601
研究機関日本大学

研究代表者

山口 喜久  日本大学, 医学部, 講師 (10060138)

研究分担者 仲村 洋之  日本大学, 医学部, 講師 (50189057)
キーワード映像酔い / 動揺病 / 心身反応 / 心拍変動 / 自律神経機能
研究概要

波間に揺れる陸地の映像を大型画面上に投影し、それを比較的近い距離で注視した視聴者の心身にいかなる影響を及ぼすかを明らかにするため、本研究では、呼吸循環機能と自律神経機能に着目し、映像酔い発症時に現れる心身反応の特徴的な変化を見つけ出すことを目的とした。平成20年度に、揺れる海面を含む景色の揺れが徐々に大きくなる実録の24分間のビデオ映像をデジタルプロジェクターによって大型スクリーン(縦124cm×横165cm)に写し、乗り物酔いしやすい21~24歳の健常女性17名に対して、1名ずつスクリーンの縦の長さと同じ124cm前方から凝視してもらい、映像負荷前から終了後まで、心拍数、血圧、心拍-血圧変動、呼吸、瞳孔のデータをコンピュータに記録し、またグレイビエルによる乗り物酔い症状の主観的レベルもノートに記録しておいた。平成21年度はこれらのデータの詳細な解析を進め、映像酔い症状の発現前後における特徴的変化が心身反応の心拍-血圧変動の周波数分析の結果に最もよく表れることを突き止めた。被験者の自己申告に基づく映像酔い症状の発現前後における変化として、映像酔いが生じる少し前に心拍変動の低周波(0.04~0.15Hz)帯域成分LFと高周波(0.15~0.4Hz)帯域成分HFとの比(LF/HF)が高まる一方、HFが低下したことから、副交感神経活動が抑制され、交感神経活動が亢進した状態と考えられた。しかし、映像酔いの症状の出現後、しばらくすると、交感神経活動だけでなく副交感神経活動も高まり、交感-副交感神経活動のアンバランスに陥ることが示唆された。なお、映像酔いが生じると呼吸曲線や瞬きに乱れが生じ、正確な呼吸数や瞳孔面積を検知・算出することができない状況になった。映像酔い発症時において呼吸数や瞳孔面積を正確に測れるようにする工夫を今後、検討する必要がある。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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