研究課題/領域番号 |
19591280
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
富士岡 隆 山口大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤研究員 (50304473)
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研究分担者 |
坂田 義行 山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (10034927)
泉 友則 山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00261694)
前川 剛志 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60034972)
富士岡 章 山口大学, 医学部附属病院, 医員 (50464334)
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キーワード | 脳・神経 / 発生・分化 |
研究概要 |
胎仔脳の発達は母体の環境によって強い影響を受ける。本研究の目的は、胎仔脳の発達を予測するマーカーを見つけ出すことにある。そのためにストレス環境モデルを用いて、細胞レベルと生体レベルに分けて検討した。胎仔脳への影響は神経細胞の形態変化を指標にした。まずラット神経細胞の培養系を用いて、ストレス環境による神経細胞の形態への影響について検討した。強いストレスを負荷した後の培養神経細胞は生存率が減少したが、弱いストレス負荷では逆に生存率が増加した。グルココルチコイドによる培養神経細胞への影響を検討したところ、グルココルチコイドが高濃度の時は培養神経細胞の生存率が減少した。このことからグルココルチコイド濃度は神経細胞の障害のマーカーとして有効であることが示唆された。これらの各群において、上清培地を採取しプロテオーム解析に用いる。妊娠ラットを用いた実験では、強いストレスにより胎仔脳の神経細胞の新生や分化が抑制された。生後の脳の神経新生や神経突起にも同様の影響がみられた。ストレス時は母体血中のグルココルチコイド濃度が上昇するため、グルココルチコイド濃度が胎仔脳への影響のマーカーになり得ることが示唆された。胎仔脳の発達への影響が確認されたこれらの母体血清を用いて、蛋白質の大規模解析を行う。そのために、血清試料調整の際のアセトン沈澱、変性、還元アルキル化、トリプシン消化などの処理方法や、低分子量の蛋白質を同定する方法などについて検討中である。
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