研究概要 |
平成16年度から平成17年度に科学研究費補金(基盤研究C、研究課題番号16591230;Increasing Stentのin vitroでの基礎研究とTIPSへの応用)で、in vitroでの基礎実験結果を報告した。要約すると、MR用血管ファントム実験で、bare stentでは狭窄を作成しても血流に変化はなかったが、Niti-S Self-Expandable Stent(Taewoong Medical Co., Ltd.)に狭窄を作成したところ、血流変化(流速と流量の低下)が生じることが確認された。狭窄部の解除もin vitroではperipheral cutting balloonで可能であることも確認された。 そこで、次なる実験として今年度は、豚肝に、狭窄部をもつcovered stentでTIPS路を作成して、その狭窄がcutting balloonを用いて解除ができるかの検証を行ない、併せて、どの程度、門脈血流に変化が生じるかを検討する予定を立てた。しかしながらタイミング悪く、peripheral cutting balloon(surgical dilatation balloon catheter)に一部トラブルの報告があり、メーカー側からの自主回収という事態に陥ってしまったために、豚を用いた実験計画を頓挫してしまった。 そこで、covered Wallstenの狭窄部がballoon catheterで解除可能であることをin vitroで確認するとともに、絹糸で狭窄したcovered Wallstentの再収納がどの程度可能かについても、in vitroで実験し確認できた。 幸いその後、数本のperipheral cutting balloon catheterを入手できたので、豚肝内にTIPS形成しての動物実験を行なう目処がたったところである。動物実験では、テルモ株式会社の大型動物実験施設もあるが、日本大学医学部動物実験センターには動物実験用血管造影装置があるので、実施に向けて準備中である。
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