研究課題/領域番号 |
19591438
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
澤田 敏 関西医科大学, 医学部, 教授 (80121937)
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研究分担者 |
狩谷 秀治 関西医科大学, 医学部, 講師 (40368220)
谷川 昇 関西医科大学, 医学部, 講師 (90227215)
川口 あすか 関西医科大学, 医学部, 助教 (00434837)
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キーワード | 画像診断 / 放射線診断学 / インターベンション / ワイヤ / シース / 経皮的血管形成術 / シャント / ステント |
研究概要 |
本研究の目的は2つの離れた管腔臓器(血管や消化管など管状で物を運ぶ役目をする臓器)を外科切開によらずエックス線画像を用いた遠隔操作で経皮的にバイパスする手術方法とその器具の開発である。癌などの病気により管腔臓器が閉塞すると血管であれば血液、消化管であれば食べ物が通らなくなる。この場合現在では主に外科手術によってバイパス術が行われる。しかしこのような病気に陥った患者は体力がなく手術ができない場合も少なくない。本研究が開発した技術は皮膚から針、糸、ワイヤ、チューブを挿入しエックス線画像ガイド下でこれらを誘導し2つの管腔臓器を遠隔操作でバイパスする方法である。本研究で開発した新しい技術は2つある。ナイロン系の糸を、先端が投げ縄状になった金属製ワイヤと針を用いて二つの管腔臓器に経皮的に通す技術である。糸は一方の管腔臓器内を通過したあと管腔外に出て、もう一方の管腔臓器の中に入り、そしてこの管腔臓器内を通過する。もう一つはこの糸を、チューブを引き込めるように製作したワイヤと交換し、交換したワイヤでチューブを引き込み二つの管腔臓器をチューブでバイパスする技術である。このチューブからステントを挿入し二つの管腔臓器のバイパスが完成する。本研究ではブタを用いて動脈一静脈シャント(血液透析シャントの作成を想定)、門脈-下大静脈シャント(肝硬変などによる門脈圧亢進症の治療を想定)、胆管-胃バイパス術(癌などで胆管閉塞した場合を想定)を行った。合計10回の作成術を行いすべて成功した。この技術は特定の臓器に限定されず汎用性のある低侵襲治療法であるところに意義があり、病気が進んだ癌患者、高齢者など体力が低下し外科手術に耐えることが難しい患者にも行え、また大きな手術を必要としないため医療費も抑制でき重要であると考えられる。
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