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2009 年度 研究成果報告書

新規直接検出法による乳癌末梢血遊離癌細胞同定と遊離細胞の生物学的分析に関する研究

研究課題

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研究課題/領域番号 19591500
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 外科学一般
研究機関北海道大学

研究代表者

高橋 將人  北海道大学, 病院, 助教 (50374343)

研究期間 (年度) 2007 – 2009
キーワード乳癌 / ISET / 遺伝子解析 / 遊離癌細胞
研究概要

原発巣より血中に遊離した乳癌細胞を同定する方法としては、過去に免疫染色やRT-PCR などいろいろなものが提唱されてきたが、癌細胞を間接的に同定するものである。今回我々は、「ISET(Isolation by Size of Epithelial Tumor Cells)のシステム」を確立するための研究を開始した。
まず、ISETシステムの感度を測定するために、乳癌細胞株6株を用いて、血液中に直接これらの細胞の数を測定して注入し、ISETシステムでどの程度その細胞を捕らえられるかどうかを調べた。sensitivity testにおいて、6種の乳癌培養細胞において約50%の回収率を得た。ISET filter上の細胞に対して免疫染色を行ったところ、SK-BR-3ではER(-)、PgR(-)、HER2(+)、MCF-7ではER(+)、PgR(+)、HER2(-)を示した。これらの染色結果はいままでこれらの細胞の染色性について報告されてきたものと相違ない。このことからISET systemにおいて細胞の抗原性は損なわれないことが示された。またISET filter上のT47-D細胞1個を切り出してp53 exon6特異的primerを用いてPCRを実施しそのPCR productをシークエンスにて読んだところ、T47-D細胞が持つCodon194のCTTからTTTへのpoint mutationが確認された。SK-BR-3細胞はHER2遺伝子の増幅が知られているがISET filter上のこの細胞に対してFISH法を試みたところ確かにHER2遺伝子の増幅が蛍光シグナルで確認でき、ISET systemを実施した細胞ではDNAが種々の検査に十分対応できる程度に保存されていることがわかった。
したがって、ISETシステムでは、1ml中に数個しか乳癌細胞がなくても直接検出することが可能で、さらに検出した細胞は、複数の方法で確実に乳癌細胞であることを証明できた。
次に乳癌患者17人から得られた血液と骨髄検体についてISET systemにて癌細胞の検出を試みた。残念ながら今回検討した乳癌症例ではHE染色で明らかな腫瘍細胞を見つけることができなかった。検出感度を高める工夫が課題として残った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Topoisomerase IIalpha-positive and BRCA1-negative phenotype : association with favorable response to epirubicin-based regimens for human breast cancers2008

    • 著者名/発表者名
      Miyoshi Y, Kurosumi M, Kurebayashi J, Matsuura N, Takahashi M, et al
    • 雑誌名

      Cancer Lett 264

      ページ: 44-53

  • [雑誌論文] KIFiBbeta functions as a haploinsufficient tumor suppressor gene mapped to chromosome 1p36.2 by inducing apoptotic cell death2008

    • 著者名/発表者名
      Munirajan AK, Ando K, Mukai A, Takahashi M, et al
    • 雑誌名

      J Biol Chem 283(36)

      ページ: 24426-24434

  • [学会発表] 新規ISET system を用いた乳癌遠隔遊離細胞の検出2009

    • 著者名/発表者名
      小林希, 上徳ひろみ, 佐々木彩美, 細田十種, 高橋將人, 高橋弘昌, 藤堂省
    • 学会等名
      第17回日本乳癌学会学術総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20090703-20090704

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公開日: 2011-06-18   更新日: 2016-04-21  

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