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2010 年度 研究成果報告書

アスベスト関連相談に関する保健師向けガイドラインの構築と評価

研究課題

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研究課題/領域番号 19592610
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 地域・老年看護学
研究機関聖路加看護大学

研究代表者

長松 康子  聖路加看護大学, 看護学部, 助教 (80286707)

研究分担者 佐居 由美  聖路加看護大学, 看護学部, 准教授 (10297070)
今井 桂子  中央大学, 理工学部, 教授 (70203289)
研究期間 (年度) 2007 – 2010
キーワードアスベスト / 中皮腫 / 保健師 / 相談 / マニュアル / 子ども / 石綿
研究概要

中皮腫患者が急増し、国民の石綿に対する不安が高まっていたが、保健師向けの石綿関連相談ガイドラインが無かった。そこで、保健師向けの石綿関連相談ガイドラインの構築を目的として研究を開始した。まず、石綿関連NPOの石綿関連相談記録344件の内容を分析したところ、子どもを含む曝露不安、職業などからすでに曝露した人からの発症不安、関連疾患を発症した患者からの相談及び遺族からの相談に分類できた。相談内容に対して回答を行うには、医療のみならず、建築、法律、心理などの専門的知識が必要と考えられた。とくに、学校や工事現場などの環境曝露への不安に関する相談が多かったことから、子どもと保護者向けの石綿情報サイトを開設した。さらに全国の保健所の石綿関連相談事業についての調査を行った結果、前年度の相談件数は、平均5.3件で、担当者数は平均3.0人で看護師を配する保健所が7割を超えた。担当者で研修を受けたものは14%のみで、マニュアルを全く使用しない者が35.4%に上った。相談担当者の7割以上が該当業務について自信が無いと回答した。その理由として多かったのは、相談件数が減って知識が蓄積されない、相談内容が多岐にわたるなどであった。保健所の石綿関連健康相談担当者の自信度が低く、マニュアルがあまり使用されていないことから担当者のニーズにあったガイドライン作成が必要と考えられた。しかし、研究途中で他の研究者によって優れたガイドラインが開発されたので、保健所職員がもっとも相談対応が困難であると回答した患者の不安について研究目的を変更した。胸膜中皮腫患者14名を対象にインタビュー調査を行ったところ、患者は様々な困難を体験していた。困難は、進行の速い難知性疾患であること、希少疾患であること、石綿被害によって起こることという、中皮腫の特性に起因していた。このような複雑な困難が、次々と起こり、病気の進行が速いため、一つの困難が解決する前に新たな困難が発生して、困難の重層化が起こっていた。また、患者は医療従事者が経験と知識が不足しており、十分なケアを受けていないと感じていた。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2010 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] 子どものアスベスト環境曝露~子どもを環境曝露から守るために~2009

    • 著者名/発表者名
      長松康子
    • 雑誌名

      21世紀倫理創生研究 2

      ページ: 30-44

  • [雑誌論文] 石綿健康相談における看護職の役割-石綿NPOの相談記録の質的分析結果から-2009

    • 著者名/発表者名
      長松康子・佐居由美・名取雄司
    • 雑誌名

      聖路加看護大学紀要 36

      ページ: 1-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 自治体ウェブサイトにおけるアスベスト関連疾患と健康相談事業の現状2009

    • 著者名/発表者名
      長松康子
    • 雑誌名

      聖路加看護学会誌 13(2)

      ページ: 79-84

    • 査読あり
  • [雑誌論文] アスベストと悪性中皮腫における看護実践・研究に関する文献レビュー2008

    • 著者名/発表者名
      長松康子,・佐居由美
    • 雑誌名

      聖路加看護学会誌 12(2)

      ページ: 91-98

    • 査読あり
  • [学会発表] Difficulties experienced by mesothelioma patients in Japan2010

    • 著者名/発表者名
      長松康子
    • 学会等名
      the 10th International conference of the International mesothelioma interest group.
    • 発表場所
      Kyoto
    • 年月日
      20100831-20100903
  • [学会発表] 中皮腫患者が求める情報と医療者への要望2010

    • 著者名/発表者名
      長松康子
    • 学会等名
      第15回聖路加看護学会学術大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-09-25
  • [学会発表] 全国保健所の石綿相談業務と相談に対する担当者の自信2009

    • 著者名/発表者名
      長松康子
    • 学会等名
      第68回日本公衆衛生学会
    • 発表場所
      奈良
    • 年月日
      2009-10-23
  • [学会発表] 保健所のアスベスト相談業務における担当者の困難2009

    • 著者名/発表者名
      長松康子
    • 学会等名
      第14回聖路加看護学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-09-26
  • [学会発表] 子どものアスベスト環境曝露におけるリスクコミュニケーション2008

    • 著者名/発表者名
      長松康子
    • 学会等名
      第22回倫理創生研究会
    • 発表場所
      兵庫
    • 年月日
      2008-11-14
  • [備考] ホームページ等

  • [備考] FREA アスベストから子どもを守ろう

    • URL

      http://plaza.umin.ac.jp/~FREAKIDS/

  • [備考] 新聞報道 東京新聞、2010年12月22日朝刊、「大丈夫?保健所アスベスト相談」

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公開日: 2012-01-26   更新日: 2016-04-21  

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