本研究の本研究の目的は、大学生が授業の内容について授業外で議論することの促進である。そのために手段として、一緒に学習をおこなっている仲間が今何をしているのかをテーブル上に提示するアウェアネス装置を考案し、試作をおこなった。このシステムにおいて、アウェアネス表示部として、実体を持つ首振り人形を採用した。その人形の土台部分には小さな穴を設け、そこに、複数のペグを刺すことができるようにした。このペグによって、どんなイベントが発生した時に、首振り人形の首が振れるのかを設定できる。ペグは、主語ペグと述語ペグからなる。主語ペグは「誰が」を示すペグで、述語ペグは「何をした」を示すペグである。例えば、このペグの組み合わせにより「鈴木君が、×××のファイルを編集しはじめたら知らせる」「田中さんが、科学の教科書を机の上に置いたら知らせる」といったアウェアネス情報設定が可能となる(教科書を置いたことの探知は、教科書にRFIDタグを取り付け、テーブルにアンテナを設置することによって可能となる)。この装置によって、テーブルを取り囲んで議論をしている最中に、他の場所(自習室や自宅)で作業している学生の作業状況が把握され、それよって、議論が促進されると期待される。今後は、このシステムの実場面における評価と改善をおこなう。
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