本年度は、これまでに開発したGPSエンジンを搭載したPIC制御によるデータ通信システムを改良し、これまで一方同通信であったものに、双方向通信機能を付加し、動物体の行動を制御するシステムの構築を目指した。これまで、ゲル状パットを用い低周波電流でパルス刺激することで、あたかもヒトがたたいたかのような感覚を動物体に与え行動を制御することを試みた。試験開始時は順調であったが、試験開始から数時間で動物体はその刺激に「馴れ」それによって行動を制御することが不可能となった。さらに、ゲル状パットの耐久性が動物体の行動に影響を与えている可能性が高かったことから、短画鋲パットによる同刺激を与えることで動物体の行動制御を試みた。結果は良好であったものの、短画鋲による動物体へ傷を負わせることもあった。これらのことから、動物体の行動を制御するシステムとして、低周波によるパルス刺激は効果的であったものの、刺激の与え方については今後さらに検討を加える必要がある。 また、データ通信システムの双方向通信については、現在使用しているPICのCPUに負荷が掛かり、体内時計が誤差を生む結果となったことから、本システムの抜本的な改良が必要とされる。また、同時にこれらの双方向通信に加え、データ収集モジュールの増設を念頭においたPIC内蔵のメモリーのみでなく、別回路でのメモリー搭載も視野に入れた開発を進める必要がある。 これらのことから、次年度では抜本的な改良案の作成とこれまでの成果の公表に努めたい。
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