本研究では、持続的利用が可能であり、大気中の二酸化炭素の固定が可能である木質バイオマスの材料としての利用拡大のために、木材・木質材料の高機能化を可能とする超音波付加含浸・圧密技術の開発を目指す。そして、既存の含浸技術と比較して薬剤含浸量の向上が可能である超音波振動数や振動振幅、雰囲気温度などを変化させた実験的検討を行う。また、超音波振動を付加した圧密化技術に関して、超音波の作用下における木材の変形挙動の変化ならびに木材の乾燥や熱処理によって導入された木材構成分子の不規則な絡み合い(不安定状態)の解消への効果について検討する。さらに、含浸と圧密化の両方のプロセスを複合した、例えば積層強化木などの製造における超音波付加加工の有用性についても検討する。この技術開発によって、既存技術によって得られる様々な木質材料の高機能と高品質化が実現でき、工業材料としての木材・木質材料の可能性を拡大できると考えられる。
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