日常生活場面での吃症状の軽減を目指し、成人7事例に対して耳掛け型吃音訓練装置(DAF、メトロノーム)を適用した。その結果、程度の差はあるが、多くの事例において日常場面における非流暢性頻度の低下が観察された。主観的評価は、よく客観的発話データを反映していたが、吃音への否定的態度を有する事例においてはその通りではなかった。7事例の結果から、日常の装置使用は非流暢性の減少のみならず、コミュニケーション能力や生活の質の改善に有効であること、装置の有効性には、1)装置の使用頻度、2)吃音への態度が関与する可能性が示唆された。
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