平成21年度は研究計画にしたがい、これまでに収集したテキスト資料の文字化作業および分析を進めた。具体的には、前年度までにデジタル画像化した、ロシア人研究者作成のロシア語タイプライターによる原稿を、謝金によるアルバイトを雇用してOCRソフトウェアにかけ、ロシア語の校正作業を行なった。また研究代表者自身が過去の現地調査で収集し文字化したアリュートル語テキスト資料10編に英訳を付し、詳細な文法注釈をつけた。分析したテキスト資料の一部は日本語・英語・ロシア語による訳をつけて東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の「北東ユーラシアの言語文化」ウェブサイト上で公開した(http://www.ling-atlas.jp/r/tale/show/133)。テキスト資料のうちの別の1編は「環北太平洋の言語」第15号に掲載した。さらに、過去の現地調査で収集したさまざまな媒体の音声資料(オーディオカセット・DAT・MD)および動画資料(VHS・miniDV・海外方式VHSおよびminiDV)をすべてデジタル化し、今後のデジタルデータベース化作業の準備を整えた。 上記に加え、これまでの研究の成果を、2009年10月にモスクワで行なわれたThe Third International Conference on Field LinguisticsでStudies of Paleosiberian Languages in Japanとして発表した。
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