アリュートル語はチュクチ・カムチャッカ語族に属し、ロシア連邦カムチャッカ半島の北部に位置するコリヤーク自治管区で話されている言語である。話者人口は200人から300人程度と見られており、主な話し手は50代以上の世代で、すでに子供にはほとんど継承されていない消滅の危機に瀕した言語である。本研究は消滅の危機に瀕したアリュートル語の音声資料をテキスト化してデータベースを構築し、言語学者だけでなく、この言語の話し手やこれからこの言語を学ぼうとする彼らの子孫によっても利用されうるような形で整理・公開することを目的とする。 本研究では、研究代表者がこれまで収集した音声資料に加え、ロシア人の文化人類学者マリュコービチ氏が1960年代から80年代にかけてアリュートル語カラガ方言を中心に収集した音声資料の整理・分析をすすめてテキストデータベース化する。
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