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2008 年度 実績報告書

戦国期における禅宗語録史料の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19720172
研究機関山口県立大学

研究代表者

伊藤 幸司  山口県立大学, 国際文化学部, 准教授 (30364128)

キーワード嘯岳鼎虎 / 『嘯岳録』 / 洞春寺 / 桂庵玄樹 / 『嶋隠集』 / 大内氏 / 幻住派 / 外交
研究概要

本年度は、嘯岳鼎虎の語録分析を中心に研究を行った。
山口には、嘯岳鼎虎と関わりの深い禅寺として洞春寺がある。洞春寺には、嘯岳鼎虎ゆかりの史料群が伝来しており、彼の伝記を把握するためにも洞春寺の資料調査を実施した。調査は、山口市教育委員会と関わりのある大内氏歴史文化研究会と共同の形態で行った。調査では、洞春寺文書(特に嘯岳鼎虎宛の公帖類)のほか嘯岳鼎虎の頂相も確認することが出来た。同時に、ご住職のご厚意により、1931年に洞春寺で和装本の形態で限定的に刊行された『洞春開山嘯岳鼎虎禅師語録』の残部を頂くことができた。本語録は、本研究で調査対象としている丹波高源寺本を底本として復刻した貴重な書籍であり、本研究の校訂作業上、非常に有用な資料となる。
上記の資料調査を参考としつつ、本研究では嘯岳鼎虎の語録『嘯岳録』のテキストデータベース化とその校訂を行った。
また、戦国期の他の語録と比較するために、当該期の語録の内、桂庵玄樹の語録『嶋隠集』(東京大学史料編纂所本)の紙焼きを入手することで、戦国期の語録の研究の深化を図った。当該語録は、即に一部が『続群書類従』で活字化されているものの、相当の異同があるため、相互に活用していく必要がある。戦国期に幻住派が活躍した前段階の九州地域の禅宗界を把握する上でも非常に有用な資料であることが分かった。
また、幻住派を活用した大名大内氏の外交活動に関する研究も行うことで、幻住派禅僧が活動する歴史的背景を追究することが出来た。
以上、2008年度は嘯岳鼎虎の語録とその関係史料の調査、桂庵玄樹の語録の調査、および大内氏の外交活動の研究を行うことが出来た。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 九州の禅寺と妙心寺派2009

    • 著者名/発表者名
      伊藤幸司
    • 雑誌名

      臨済会報 234

      ページ: 3-6

  • [雑誌論文] 偽大内殿使考2009

    • 著者名/発表者名
      伊藤幸司
    • 雑誌名

      日本歴史 731

      ページ: 16-34

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 書評と紹介橋本雄著『中世日本の国際関係』2008

    • 著者名/発表者名
      伊藤幸司
    • 雑誌名

      日本歴史 727

      ページ: 114-116

  • [学会発表] 禅僧と外交2008

    • 著者名/発表者名
      伊藤幸司
    • 学会等名
      2008年度中国社会文化学会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2008-07-06

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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