2007年度は、本研究事業の初年度にあたる。よって、先行研究の把握と、資料収集に重点を置くことを予定していた。実際に行なった作業は、以下のとおりである。 1.先行研究の把握とそのための文献収集。先行研究整理。 2.日米双方の資料の国内各図書館における所蔵状況を確認 3.沖縄県公文書館や沖縄国際大学図書館、国立国会図書館におけるアメリカ側資料の調査・収集 4.新聞・雑誌記事など、その他の資料収集 5.収集した資料の整理(必要に応じて、電子化して保存) 2007年度における作業は、ほぼ予定通り進んだといってよい。先行研究の把握及び整理は、ほぼ終えることができたと考えている。沖縄の保守勢力に関する実証研究は、やはりほとんど存在していないことが確認できた。 また、沖縄県公文書館においての資料調査では、沖縄の保守政党をキーワードとして検索を行い、その調査・収集を順次進めているところである。USCAR(米民政府)の資料を最初の調査対象とし、それが終わった段階でアメリカ国務省の資料に手を広げる。まだ資料収集の段階であり、資料の概要を把握するに止まり、本格的な読解・分析は行なっていない。それゆえ、2007年度においては、研究成果の公表は行なわなかった。 しかしながら、資料収集を通して、USCARと沖縄の保守勢力がどのような関係を築いていたのか、沖縄の保守勢力がアメリカの米軍統治や沖縄返還をどのように捉えていたのかについて、アウトラインは把握できたものと判断している。
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