本年度は、第一に学校評価やNo Child Left Behind(NCLB)法をキーワードとして、米国における戦後の教育改革の流れを整理した。 第二に、日本の学校評価に関する政策的動向についても整理を行った。 第三に、ミネソタ州の複数のチャータースクール(CS)や行政当局等を9月に訪問し、校長やCS関係者へのインタビュー調査を実施した。CSのスポンサーの問題やNCLB法による影響等について情報を得ることができた。 第四に、CSにおける学校評価の実態把握を目的として、ミネソタ州の全てのチャータースクール(CS)を対象とした質問紙Web調査を3月に実施した(CS144学校、回収数29、回収率20.1%)。スポンサーとの関係性を問うた質問では、「とても良好」18、「良好」8、「どちらともいえない」2、「悪い」1という結果であり、大半のCSがスポンサーと良好な関係を保持していることが言える一方で、29CS中、2割弱(17.2%)にあたる5CSがスポンサーを変更していた。また、NCLB法制定以後の生徒の学業成績の変化、学習モチベーションの変化、学習活動の変化を問うた項目では、学業成績と学習モチベーションについては「変化なし」と回答したCSは29校中、それぞれ22、21という結果となり、大半のCSでは両項目に関しては大きな変化は見られなかった。ただし、学習活動の変容については、「変化あり」13、「変化なし」13と二極化していた。
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