研究概要 |
本年度の研究成果としては、「研究実施計画」に則り、以下のことを明らかにした。 第一に、日本教育経営学会第49回大会(千葉大学)において、スポンサーによるチャータースクール評価の実態に関して研究発表を2009年6月に行った。本発表では、2008年3月に実施したミネソタ州のCSを対象とした質問紙調査結果、および2009年3月の訪問調査に基づき、同州におけるスポンサーによる評価実態の一端を明らかにした。また、Parents,Allied with Children and Teachers(以下PACT)を事例として、学校評価の全体像を明らかにした上でスポンサーであるBethel大学によるPACT評価の実態について言及した。PACTのケースでは、自己評価を基礎として、第三者評価としての認証評価が客観性を高め、スポンサーとしてのBethel大学が、支援機能を果たしながら、PACTが学校改善と契約更新を実現できていた、という結論を得た。 第二に、上記の研究発表をべースに、「米国チャータースクールにおけるスポンサーによる学校評価に関する研究-Bethel UniversityによるPACT評価を事例として-」というタイトルで、日本教育経営学会に投稿し採択された。本研究の目的は、スポンサーによるCS評価の仕組みと実態を分析することを通じて、公教育体制再構築のために示唆を得ることであった。本研究から得られた成果は、ーつに、CSにとって有益な、スポンサー評価を実施するには、スポンサーを学区教育委員会に限定しないこと、二つに、スポンサーによる評価が支援をべースに展開されることの重要性を指摘したことである。
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