研究概要 |
本年度は,半線形楕円型方程式およびHelmholtz方程式の無限遠方での挙動について以下の研究成果を挙げた. 1.外部領域において,松隈型半線形楕円型方程式の正値解の無限遠点での極限の存在を考察した.非線形指数がn/(n-2)より小さいときは極限が存在し,大きいときは任意の速さで増大する正値解の存在を明らかにした. 2.2次元の滑らかな有界領域において,非線形不等式を満たす正値優調和関数が高々正値調和関数の境界増大度を有するときの非線形指数の範囲を決定した.また,ArsoveとHuberによる結果と合わせて,非接極限定理を得た. 3.Helmholtz方程式の正値解に対するLittlewood型定理を与えた.すなわち,無限遠点に対するMartin境界は単位球面と同一視されるが,境界極限の存在を保証するためにはKoranyiとTaylorが導入した接近領域が最良であることを示した.
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