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昨年度の研究ではX線光電子分光法(XPS)並びに全電子収量法(試料電流測定)を用いたX線吸収スペクトル(XAS)からアルゴンの捕獲効率を算出する方法を確立し、様々なターゲットに射ち込まれたアルゴン量を導出した。
当初、始原的隕石中のphase Qに類似していると考えられているケロジェン(石炭)が高い希ガス保持力を持っていると予測したが、実際に実験を行ったところ炭素同素体(高配向焼結グラファイト(HOPG)、アモルファスカーボン、多結晶合成ダイヤモンド、フラーレン、カーボンナノチューブ)やかんらん石、金属鉄と比較して石炭試料のアルゴンの捕獲効率は一桁以上低かった。この事実は地球のケロジェンは希ガスの担体としては不向きであり、phase Qとの間に分子構造上大きな違いがあることを意味していると考えられる。実際のphase Qはケロジェンよりもずっと秩序だった層状構造を持っていると考えられる。
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