ペンチレンテトラゾール(PTZ)によって誘発されるキンドリング獲得は、神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)の持続的高発現と、それによる過剰な一酸化窒素(NO)発生が原因となる。本研究では、キンドリングにおけるnNOSは、Hsp9との結合を伴うホモ二量体を形成することで安定性を亢進させ、高活性を持続的に維持していることが示唆された。さらに、新たなnNOS安定化メカニズムとしてユビキチン様タンパク質修飾の関与が示唆された。また本研究にて、定常状態のNOが痙攣誘発を抑制していることが明らかとなり、てんかん発症におけるnNOS-NOには、抑制性と興奮性の相反する神経活動を制御する役割があることが明らかとなった。
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