私たちは、喫煙が動脈硬化を惹起する一因を解明するために、「喫煙によって低比重リポ蛋白(LDL)サイズが小さくなる」という仮説を立て、アンケート調査と血液検査を行った。喫煙者集団と非喫煙者集団との間には小粒子LDLを増加させる因子には差がなかったにも関わらず、驚くべきことに、その結果は予想とは逆で、若年者集団においては、短期間の喫煙によって小粒子LDLが減少する傾向があることが示された。 喫煙習慣が心血管系に悪影響を及ぼすことは明らかであり、本研究の結果は喫煙を勧めるものでは決してないことを付記する。
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