研究概要 |
癌細胞および正常細胞由来のミトコンドリアDNAとHELA細胞由来のρ0細胞を元としたCybrid細胞を8種類(15株)樹立し、Back groundを比較した後にIn vitro,In vivoの実験を行った。In vitroにおける形態学的な検討はH19、20年度にほぼ終了していたので、その後のまとめとApoptosisの生化学的証明、apoptosis経路の解明と細胞死誘導刺激の違いによる検討、および、in vivoでも同様の結果を示すかどうかを実験した。 (1)Caspse 3をはじめとした各種カスパーゼの活性の測定。(2)膜電位、呼吸活性の測定をは じめとしたROSの産生についての検討と、チトクロームCオキシダーゼ阻害薬投与下でのapoptosis誘導とROS産生低下の関連。(3)温熱療法下でのwild,mutant cybrid細胞群のapoptosis耐性の検討。(4)in vivoでは、ヌードマウスにwild, mutant cybtridを移植して抗癌剤耐性を検討する。 (1)カスパーゼ活性は上位のカスケードにおいて活性を認めた。Cytchrome C dependent apoptosisであった。(2)ROSについてもMutant mtDNAにおいて発生量は多かった。Complex Iを阻害することによりanti-apoptosisを認めたことでROSの産生能力とapoptosis耐性に密接な関連があることが分かった。(3)温熱療法下ではwild cybridがmutant cybridよりapoptosis耐性を示した。(4)in vivoにおいてもmutant cybridがwild cybridよりapoptosis耐性を示した。 論文ではcancer science vol.100(9)2009(IF:3.165)に掲載された。
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