研究に先立ち、看護ケアにおける足浴(の目的)の変遷を明らかとするため、名古屋大学図書館独自の書籍検索システム「OPAC (Online Public Access Catalog)」より、「足浴」および「基礎看護」をキーワードに検索を行った。その結果、「足浴」では0件と書籍の題名に「足浴」の文字が挿入されているものはみられなかった。「基礎看護」では49件ヒットしたため、それらの1927年から1996年発刊の基礎看護学テキストを主とした書籍を年代別に整理することを試みた。足浴は、患者の日常生活援助として1927年にはすでに看護ケアの1つとして取り入れられていた。しかし、その目的は主に患者の清潔保持の1つであり、全身清拭における足部の局所清潔ケアの一手段として掲載されていた。「冷え」に関連するような末梢循環の促進やリラックス効果などを目的とした足浴が掲載されはじめたのは、1940年代に入ってからであることが明らかとなった。清潔ケアから始まり、現在では末梢循環の促進など様々な目的にも使用されるようになり、患者ケアにおける足浴の重要性が再認識される結果が得られた。 本研究は、平成19年9月よりプレテストを実施した。プレテストでは、以下の2点の改善策が得られた。 1.対象によって膝下の長さが異なることが、設定した足浴「深度」に影響を与える可能性があることが示唆された。この対応策として、対象の膝下の長さを測定・分析することを追加した。 2.椅子の高さが一定のため、足が床下に届かない対象がみられた。足が床下に届くか否かは、足の循環血流に影響を与えると考えられるため、対応策として膝が90度になるように、床下・足底間に厚さ1cm程度のクッションフロアを重ねて調節することとした。 これらの対応策を実施することにより、本調査ではより正確な結果が得られ、有益な研究となると考える。
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