研究課題
基盤研究(A)
イスラームを治安・安全保障の対象とみなす見方が西側では強いが、イスラームの思想的文脈に分け入ってその政治・社会的動向を分析する動きは弱い。本研究は、「法源学」に注目し、穏健派と過激派(特にサラフィー主義)を対比し、両者が法をめぐる理論や解釈について大きく異なっていることを明らかにし、世界のさまざまな法学派について包括的な検討を行う画期的な研究である。イスラーム復興、急進的なイスラーム運動などに関連する国際的な事件や紛争が生じる中、 前世紀後半以降の穏健派、急進派の双方の拡大という文脈を踏まえ、法源学の伝統、法学者の影響力といった法的側面が両者を分かつ重要なポイントになっていることを指摘し、国際的な文脈から明らかにしようというものであり、重要な学術的貢献が期待できる。