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2020 年度 実績報告書

基礎教育を保障する社会の基盤となる日本語リテラシー調査の開発に向けた学際的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19H00627
研究機関大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所

研究代表者

野山 広  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究領域, 准教授 (40392542)

研究分担者 岩槻 知也  京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (60263191)
石川 慎一郎  神戸大学, 大学教育推進機構, 教授 (90320994)
石黒 圭  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究領域, 教授 (40313449)
藤田 美佳  奈良教育大学, 次世代教員養成センター, 研究部員 (90449364)
横山 詔一  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語変化研究領域, 教授 (60182713)
前田 忠彦  統計数理研究所, データ科学研究系, 准教授 (10247257)
名嶋 義直  琉球大学, グローバル教育支援機構, 教授 (60359552)
大安 喜一  東京医療保健大学, 未登録, 特任教授 (50789576)
石井 恵理子  東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (90212810)
佐藤 郡衛  明治大学, 国際日本学部, 特任教授 (20205909)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード日本語リテラシー リテラシー調査 / 基礎教育 / 日本語使用 / 日本語の位置付け / 母語/第一・第二言語/継承語/外国語 / 調査方法の開発 / 学際的研究 / リテラシー調査
研究実績の概要

2020年度は、コロナ禍の中、日本語リテラシー調査の方法開発に向けた準備として、以下の実態調査(国内外)に向けた交渉、ネットワーク構築等を行う予定であった。
日本語使用の実態調査:日本語使用者の日本語の位置付け(母語/第一・第二言語/継承語/外国語等)の多様性を踏まえ、夜間中学の生徒や地域の日本語教室の学習者に対して、日本語リテラシーの習得や言語生活に関する縦断調査を行うと共に、補完的調査として海外の補習授業校の生徒や大学の学生に対して同様の横断調査を行う。
具体的には、リテラシー調査の先進国(韓国、豪州、ドイツ、米国など)を訪問して、現地のリテラシー調査やリテラシー教育の関係者と面会し、情報収集、意見交換を実施する予定であったが、コロナの影響で実施出来なかった。また、国内外の調査に向けた準備として、まず国内(関東と関西の夜間中学の生徒)の日本語使用実態調査(2020年~2022年に実施予定)、その補完的調査としての海外(米国:プリンストンを予定及びドイツ:ベルリンを予定して、日本語補習授業校の生徒)の日本語使用、言語生活等の実態調査(2020年、2021年に実施予定)に向けた交渉やネットワークづくりを行う予定であったが、コロナの影響でほとんど対面ではできなかった。その他、国内(地域の外国人定住者)の日本語使用実態調査(2020~22に実施予定)についても実施出来なかった。
これらの日本語リテラシー調査の方法開発に向けた諸活動は、将来の実施が期待される本調査(1948年、55年の調査以来、約70年以上ぶり)に向けた基礎資料作りとして実施、展開しているものである。また、本科研の最終目標である試行調査(TS = Trial Suruvey:2023年予定)の実施に向けて行う予定であったが、実際には殆ど現地に行くことが出来ず、計画通りにはいかなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

理由
2020年度中に、本来2019年度に実施予定であった本研究計画の主目的の一つである国内外の多様な日本語使用者の実態調査に向けた準備と科研のキックオフ国際シンポジウムをオンラインで(元々は対面で開催の予定であったものを)開催することができた。この開催を通して、1948年の読み書き調査に関して改めて振り返る(省察する)ことができ、さらには、海外のリテラシー調査先進国(ドイツ、フランス等)の情報を踏まえ、比較検討をした上で、今後の日本語リテラシー調査の方法開発に向けて前進することもできた。
しかしながら、上記の日本語使用者の実態調査(国内外の日本語使用者の日本語の位置付けの多様性を踏まえ、夜間中学の生徒や地域の日本語教室の学習者に対して、日本語リテラシーの習得や言語生活に関する3年間の縦断調査を行うと共に、補完的調査として海外の補習授業校の生徒や大学の学生に対して同様の横断調査を行うこと)に関しては、コロナの影響で、対面での調査が前提だったこともあり殆ど実施することができなかった。その関係で、研究の進捗が遅れてしまい、関連した予算の多くは、2021年度に繰り越されることとなり、研究の進捗が遅れてしまった。

今後の研究の推進方策

2020年度以降は、2019年度に実施できなかった科研のキックオフ国際シンポジウムを実施すると共に、コロナ禍の状況を踏まえながら、以下の研究計画を可能な限り実施・展開した。以下が、本研究課題の今後の推進方策1)~7)である。
1)キックオフシンポジウムの開催と調査・研究の準備(情報収集と検討)、 2)国内調査1):関東と関西の夜中の生徒の日本語使用実態調査(2021、2022の予定) 補完的調査=海外調査①:米国とドイツの日本語補習授業校で、生徒の日本語使用、言語生活等の 実態探究(2021の予定) 3)国内調査2):集住・散在地域の定住者の日本語使用実態調査(2021、2022の予定)、補完的調査=海外調査②:中国(漢字圏)とドイツ(非漢字圏)の大学で、大学生の外国語としての日本語使用、言語生活等の実態探究(2021の予定) 4)国内外の調査で収集したデータのデータベース化、データの学際的分析(2021~23) 5)リテラシー調査の先進国(韓国、豪州など)調査:情報収集、意見交換(2019、2021~2023) 6)国際シンポジウムの企画・開催(2023):全体総括と国内外への発信 7)調査方法の開発、試行調査(TS)の実施(2023)
まず、1)のキックオフ国際シンポの開催に関しては2020年度中に開催出来たので、調査・研究、リテラシー調査方法の開発に関する国内外の情報収集を行うことが進展した。今後は、5)のリテラシー調査の先進国の調査を行いながら、2 )3)4)6)7)の実施、展開、充実に向けたネットワークの構築・拡充・深化と、現地での情報収集、関係者との情報交換等を行いながら、本研究を推進する予定である。

  • 研究成果

    (18件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 4件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 計量的言語研究の現状と展望:検証型研究と探索型研究の界面2021

    • 著者名/発表者名
      石川慎一郎
    • 雑誌名

      看護研究(医学書院)

      巻: 54(1) ページ: 10-17

  • [雑誌論文] ディアスポラの言語、メディア、そしてアイデンティティ ─日本人海外在住経験者のメディア利用とその影響を中心として─2021

    • 著者名/発表者名
      李津娥、石井恵理子、林さと子、李光鎬
    • 雑誌名

      東京女子大学比較文化研究所紀要(東京女子大学比較文化研究所)

      巻: 82 ページ: 49-86

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 異文化間教育研究における政策と研究者の役割-研究の総括-2020

    • 著者名/発表者名
      馬渕仁、工藤和宏、野山広
    • 雑誌名

      異文化間教育(異文化間教育学会)

      巻: 51 ページ: 1-21

  • [雑誌論文] 習得研究の資料としての学習者コーパスの可能性と課題:計量研究におけるコーパスデータの制約性をめぐって2020

    • 著者名/発表者名
      石川慎一郎
    • 雑誌名

      第二言語としての日本語の習得研究(凡人社)

      巻: 23 ページ: 138-144

  • [雑誌論文] 社会のパラダイムシフトと新しい学習・教育―民主的シティズンシップ教育の可能性―2020

    • 著者名/発表者名
      名嶋義直
    • 雑誌名

      社会言語科学(社会言語科学会)

      巻: 23(1) ページ: 5-20

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 文字を獲得した少年2020

    • 著者名/発表者名
      石井恵理子
    • 雑誌名

      子どもの日本語教育研究(子どもの日本語教育研究会)

      巻: 3 ページ: 57-60

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 多文化共生社会の実現に向けて2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤郡衛
    • 雑誌名

      弘道(日本弘道会)

      巻: 128 ページ: 6-11

  • [雑誌論文] 外国人児童生徒の学ぶ機会の保障に向けて2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤郡衛
    • 雑誌名

      市政(全国市長会)

      巻: 69 ページ: 32-34

  • [学会発表] 子どもを育てる、ことばを育てる―継承日本語教室を考える―バンコクにある親子でつくるテーマ型学習教室の22年の実践から ―2021

    • 著者名/発表者名
      石井恵理子
    • 学会等名
      タイにおける母語・継承語としての日本語教育研究会(JMHERAT)第17回セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] 日本語リテラシー(読み書き)調査の開発に向けた学際的研究-基礎教育を保障する社会の構築を目指して-2020

    • 著者名/発表者名
      野山広
    • 学会等名
      基礎教育保障学会
  • [学会発表] 秋田県に定住した外国人の言語生活と日本語会話力に関する縦断研究-調査結果と調査方法を振り返りつつ2020

    • 著者名/発表者名
      野山広・村田晶子
    • 学会等名
      異文化間教育学会(第41回大会・国際教養大学・オンライン)
  • [学会発表] 批判的談話研究を動機づけるもの2020

    • 著者名/発表者名
      名嶋義直
    • 学会等名
      東京外国語大学国際日本研究センター シンポジウム「社会的実践としての批判的談話研究」
    • 招待講演
  • [学会発表] 『10代からの批判的思考』ワークショップ 校則・ルールについて考えよう2020

    • 著者名/発表者名
      名嶋義直
    • 学会等名
      アレッセ高岡(富山県高岡市,NPO団体)
    • 招待講演
  • [学会発表] 国内における年少者日本語教育と母語・継承語の育成〈現状と課題〉2020

    • 著者名/発表者名
      石井恵理子
    • 学会等名
      バイリンガル・マルチリンガル(BMCN)子どもネット研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 中野区におけるダイバーシティ推進の取り組み:現場生成型研究2020

    • 著者名/発表者名
      横田雅弘・佐藤郡衛・山脇啓造・岸磨貴子
    • 学会等名
      異文化間教育学会(第41回大会・国際教養大学・オンライン)
  • [図書] 右翼ポピュリズムに抗する民主主義教育-ドイツの政治教育に学ぶ2020

    • 著者名/発表者名
      名嶋義直・神田靖子(共編著)近藤孝弘・中川慎二・神田靖子・寺田佳孝・三輪聖・野呂佳代子・渡邉紗代・西山暁義・名嶋義直・木部尚志・木戸衛一著
    • 総ページ数
      464
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      9784750350073
  • [図書] 10代からの批判的思考2020

    • 著者名/発表者名
      名嶋義直(編著)寺川直樹・田中俊亮・竹村修文・名嶋義直・後藤玲子・今村和宏・志田陽子・佐藤友則・古閑涼二
    • 総ページ数
      276
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      9784750350103
  • [図書] 海外で学ぶ子どもの教育―日本人学校・補習授業校の新たな挑戦2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤郡衛・中村 雅治・植野 美穂・見世 千賀子・近田 由紀子・岡村 郁子・渋谷 真樹・佐々 信行
    • 総ページ数
      216
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      9784750350721

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公開日: 2022-12-28  

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