研究課題/領域番号 |
19H00731
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
大林 政行 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(火山・地球内部研究センター), 主任研究員 (30359179)
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研究分担者 |
杉岡 裕子 神戸大学, 海洋底探査センター, 教授 (00359184)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 海洋地震観測 / ハイドロフォン / 太平洋プルーム / 地震波トモグラフィー / フロート |
研究実績の概要 |
本研究は日本、フランス、アメリカ、中国の国際共同で南太平洋の広大な領域でかつてない規模の地震観測をハイドロフォン搭載海中浮遊型地震観測ロボットMERMAIDフロートを用いて実施し、それにより得られた地震データで地震波トモグラフィーを実行し南太平洋下マントルの大規模上昇流(太平洋プルーム)の実態を明らかにしようとするものである。2019年度のMERMAIDフロート投入によって計50台が南太平洋で稼働しており、各国がそれぞれ担当するMERAMIDフロートのモニタリングし、データを取得している。日本は9台を管理し、データを取得し続けている。MEMAIDフロートは地震を感知すると自動でP波部分の波形を衛星通信で送信するシステムだが、送信されない場合は、データリクエスト信号を送信することにより手動でデータを取得している。現在毎週1.5イベントの割合でデータを獲得できており、その特性を検証しながら地震波トモグラフィーに必要なP波初動の走時データを読み取っている。 特筆すべきはトンガの海底火山Monowaiの噴火に関連する水中音波(T-phase)シグナルを得たことである。これはデータリクエストにより手動で得たものであるがMEMAIDフロートが海底火山のモニタリングに活用できることを示唆する。2021年3月4日に起きたマグニチュード8.1のトンガ地震による津波は、津波起因データ取得のために水圧連続記録を取得できるよう改良したMERMAIDフロートを検証する良い機会であったが、6時間前に起きたマグニチュード7.3の地震のデータを自動送信するために海面に浮上しており、水圧データの取得は叶わなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年に展開したMERMAIDフロートから地震波データを取得しておりトモグラフィーに必要な解析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
国際協力のもとMERMAIDフロートから送信される地震波形を解析して地震波トモグラ フィーに必要なデータを得る。蓄積されたデータを用いて地震波トモグラ フィーを実行し、太平洋プルームの構造を明らかにする。
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