研究課題
全マントルで均一かつ高解像度に地震波速度構造を得るトモグラフィーに向け、海洋地震観測をハイドロフォン搭載海中浮遊型ロボット(MERMAIDフロート)50台を用いて南太平洋で日仏米4カ国共同により2019年に開始したが、50台中40台は現在も観測稼働中である。随時MERMAIDフロートから送られてきた海底で地震P波から変換された水中音波波形データを参加4カ国で解析し、蓄積された走時データを用いてトモグラフィーを実行したが、走時解析に不備があったことが判明し、現在走時解析をやり直しているところである。MERMAIDフロートは深海サウンドチャネルに当たる水面下1500mを漂流するため、海底火山等によるT-phaseを観測可能であり、実際に2022年1月15日に起きたフンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ火山で海底火山大規模爆発的噴火に伴うT-phaseが観測された。各フロートのT-phase波形データの相関をとることでフロート間のT-phase走時差を測定し、走時差データを用いてT-phaseの発生源を求めると共に地震波形等で示唆される噴火イベントとは異なる噴火の様子がT-phaseによって描写できることを示した。2023年10月9日鳥島近海で地震によって八丈島に0.6mの津波が観測されたが、地震規模から予想されるよりもはるかに大きな津波であったと指摘されている。津波原因とされる地震を含め10月9日午前4時40分(日本時間)から2時間の間に13回の顕著なT-phase が観測されている。小笠原海溝付近を漂流していたMERMAIDフロート2台の含め海洋島、海底ケーブル等の地震計、ハイドフォンデータから、T-phaseの走時差を測定し、13個のT-phase発生源を求めたところ地震孀婦岩の西にある孀婦海山に集中していることが分かった。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Geophysical Research: Solid Earth
巻: 128 ページ: -
10.1029/2023JB027406