研究課題
Rasの活性化をFRET強度の変化でモニターできるRaichuを用いて,Ras活性化の静水圧感受性の検出とメカニズム解明を目指した研究を進めた.これまでRaichuの単離精製とこれを用いたRas活性化の測定ができるようになっていたが,Raichu 内のCFPとYFPが弱く相互作用しこれが圧力感受性を示すことが判明した.そこでGFPの二量体化を阻害する点変異をRaichu内のCFPとYFPに導入したmRaichuを作成した。mRaichuは,Raichuに比してCFPとYFPの相互作用が弱く、Rasの圧力感受性についてのより定量的な測定が可能になった.軟骨細胞に対し0 - 18 MPaの静水圧負荷下でリアルタイム観察を行い,阻害剤を用いることで上流のシグナル伝達機構の解明を目指した.結果として,静水圧の大きさに依存して相違が見られるような細胞内Ca2+濃度変化波形が得られた.さらに,阻害剤を投与した際の応答にも差が生じ,静水圧の大きさ依存的に機能する感知機構が異なる可能性や機能する感知機構の反応度合いが変化する可能性が示唆された.軟骨細胞に関して静水圧処理群と無処理群を比較し,軟骨組織再生時にメカノシグナル負荷により亢進/抑制される因子を同定した.細胞内のみならずエクソソームも解析することで,軟骨組織内における誘導因子送達機構も含めたメカニズム解明を進めた.これまでに日本白色家兎並びにラットを用いた異種同所性移植モデルによるin vivo有効性評価法を確立し,両動物種での修復再生効果の同等性を確認し,本研究における動物実験系をラットに決定した.移植方法および手技について検討を実施した.そして動物実験におけるポジティブコントロールとなる多指症由来軟骨組織より作製した細胞シートを用いて,静水圧負荷技術により作製された再生軟骨組織を用いた場合の移植方法や手技を確立した.
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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